オプジーボの副作用 一般的な抗がん剤との違い
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一般的な抗癌剤の副作用
血液細胞は日々増殖し、中でも白血球は細菌やウイルスなどの外敵の侵入に備えています。
それが抗癌剤によってダメージを受けると、普段は3000~8000個(1立方メートルあたり)程度ある白血球が、2000個を下回ることもあります。
白血球の成分のうちで、おもに細菌を攻撃する『好中球』と呼ばれる成分がおよそ50%前後あるのですが、白血球が1000個を下回り、好中球が500個を下回ったときに、37.5度以上の発熱もあるとこれを『発熱性好中球減少症』と呼び、危険な状態と考えてすぐに治療を行います。
また、抗癌剤の副作用でイメージとして患者さんやご家族の方がお持ちなのが、『嘔気・嘔吐』で食事が全く取れない、というものです。
そこまでひどい症状にはならないのですが、この症状というのは、『消化管の粘膜』がダメージを受けて起こります。
胃や腸の粘膜に起こると、『嘔気や嘔吐』、あるいは『下痢』が起こりますし、
それらの結果、『食欲不振』につながることがあります。
ちなみに、よくドラマや映画などで強調されるのが、抗がん剤の点滴をしている患者さんが、トイレで苦しんで吐いている姿ですよね。
少なくとも消化器外科領域で使用する抗がん剤では、このように吐き続けて苦しむようなことはほとんどないと思います。
それほど吐いているとしたら、量が多すぎるので減量したり、種類が適切でないので変更したりします。
しんどすぎる抗がん剤のメニュー(レジメンと言います)は意味がないのです。
あるいは、全身のだるさ(倦怠感)や疲れやすさ(疲労感)というのもあります。
これがなぜ起こるのかはよくわかっていないのですが、一般的な副作用としてよく起こります。
投与後2〜3日現れて、徐々に楽になってくることが多いです。
その他にも、抗癌剤によって特徴的な症状を起こすものがあり、
脱毛(タキサン系)や手足のしびれ(タキサン系、オキサリプラチン)、手足の痛み(手足症候群:カペシタビン、マルチキナーゼ阻害薬 ネクサバール、レゴラフェニブ)、皮膚障害(皮膚の乾燥や爪の炎症、広範囲のニキビなど)、傷の治りが悪くなる(血管新生阻害薬)、間質性肺炎、などがあります。
オプジーボの副作用が起こる機序
以前の記事に書いたように、もともと自分に備わっている免疫細胞の、『ブレーキ』を外すことで、自分のがん細胞を攻撃させるという薬です。
免疫の『ブレーキ』が外れると、何が起こるでしょうか?
自分の免疫細胞が、攻撃するべきではない細胞を攻撃することで、正常な細胞がダメージを受け、場合によっては破壊されてしまいます。
このような病態を『自己免疫疾患』といいますが、オプジーボなどによって起こる副作用を『自己免疫疾患関連副作用(irAE)』と呼びます。
起こる可能性でいうと、体中のどの細胞がターゲットになってもおかしくないので、それは多彩なものがあります。
しかし起こりやすいものと起こりにくいものがあるようで(理由はあまりわかっていません)、やはり頻度の高いもの、あるいは重症化する危険なものを特に注意することになります。
オプジーボの副作用の種類
これらの副作用は、一般的な抗がん剤と比べると、かなり異なったものになります。
これらについて、どのように起こるのか、どのように検査して、治療するのかなどを、引き続き考えていきます。