2015-01-01から1年間の記事一覧
今日は抗がん剤についてです. 抗癌剤の副作用として,まず思い浮かべることに 『吐き気』や,『実際に吐いてとてもしんどそう』 というのがあるかと思います. 実際によくテレビに出てくるシーンでは, 抗がん剤=吐いて食べられない とワンセットになって…
尾状葉(S1)はあまり目にする機会が多くなく、 肝静脈の裏側というわかりにくい場所のため、 その解剖はなかなかとっつきにくいものです。 尾状葉切除前 切除後 引用:肝臓外科の要点と盲点 20. 背方からのS1切除 しかし,短肝静脈やアランチウス管はよく扱い…
今日は自分の体の話です. 以前に下の記事に書いたのですが, 35歳を超えて当直などをすると疲れやすく感じるようになりました. 150908 当直と疲れについて 時間の使い方を見直して1ヶ月での評価 そこで現在は体重を落とそうとしているところです. 思った…
前回に引き続き,下大静脈腫瘍栓に関する内容です. 腎細胞癌の下大静脈腫瘍栓に関する特徴ついてまとめます. ・腎細胞癌は静脈腫瘍栓を形成しやすい 腎静脈に30〜40% 下大静脈に達するのが4〜10% 右心房に達するのが1%と言われる ・静脈腫瘍栓を伴う腎細胞…
下大静脈腫瘍栓とは,腫瘍が静脈内に進展していき, それが延長していき下大静脈にまで達したものです. 当科では腎細胞癌の下大静脈腫瘍栓に対して、年間に数例の手術症例があります。 決して珍しい手術ではありませんが, われわれ消化器外科,心臓血管外…
今日はラグビー日本代表のワールドカップの試合を見て、いろんなことに興味がわいてきましたので、それらに関する日記になります。 ラグビー日本代表は、スコットランドに負けて残念だったが、完全に対等な試合運びができていた。初めて試合を見たが、日本の…
今日も寸暇を惜しんで、論文執筆を進めています。先日、苦労して書いた一例報告の論文が、英文誌に掲載されることが決まりました。小さな仕事かもしれませんが、ここまで随分と時間がかかり、また若干諦めかけていたところもあるので、とても嬉しいです。多…
医学の分野において,学会で発表するとき、あるいは論文を書くときには、統計学の知識が必要になります。 例えばある2つのグループがあり、その成績を比較したい場合にどうするかというと,ただ平均値を出して,例えばそれをグラフにして比較するだけでは不…
安田
今日は肝切除のうち、外側区域切除についてです。 肝外側区域切除は左葉の外側区域、クイノーの区域分類でいう、S2、3を切除する術式で、具体的には門脈臍部に沿って切除し、左肝静脈は根部近くで切離します。系統的肝切除の中では,容易な術式とされており…
最近あまり時間が取れず,このブログへの書き込みが滞ってしまっていますが,その理由は何と言っても,学会発表の抄録(発表する内容の要約です.この出来によって当落が決まりますし,より上級のセッションに通るかどうかも決まります)の締め切りが目前に…
来週に学会発表の演題募集が締め切りになります.日常行っている臨床の成果や結果,研究内容などについて,学会発表や論文に掲載することは,大学で働いているわれわれの使命のひとつであり,存在意義のひとつでもあります. そうとはわかっているのですが,…
先日,腎機能障害が高度なため,造影剤が使えない転移性肝癌の症例を経験しました. 普段から造影CT,EOB-MRIに完全に慣れているので,単純CTと単純MRIの読影には不慣れです.しかし高齢化がどんどん進んでいる現状では,腎機能障害の方も増えていくでしょう…
消化器外科において,高齢者(75歳以上を指すことが多いです)に対する手術を積極的に行うかどうか,という議論が盛んになされています. 胃癌,大腸癌から膵癌,そして私の専門の肝臓癌についても,同様の議論があります. 実際に手術を受けられた患者さん…
今日は以前から興味のあった,「親指シフト」をついに始めました. これは,キーボードでの文字入力のうち,ローマ字でもない,かな文字入力でもない方法です. これを知ったのは,ずいぶんと前になりますが,勝間和代さんの著書であります, 「無理なく続け…
本日の30分の第2領域の活動 ・夏休みの旅行のレシート・領収書のまとめ ・生命保険の契約書類変更 たまっていたものの処理が,着々と進んでいます.スッキリした気分です. 非常勤医師として働いているの勤務先の病院で,手術手伝いをしているのですが,今日…
最近になってようやく,『結紮』に対する不安やプレッシャーがなくなってきたように思います. 結紮の手技は外科医にとって,かなり基本的なものであり,それこそ1年目から指導され,ずっと付きまとうものです.そして個人差も出てきます. 一般の消化器外科…
緊急性はないけれども,重要なこと,いわゆる『第2領域』の行動を,最も優先させるべきであることは,いろんな方が口をそろえて言われていることです. 実際に自分も『第2領域』の行動,例えばこのブログを書くことや英語論文を読むこと,結紮は糸を肌身離さ…
手術前に行われるカンファレンスでは、教授を始め医局員の前で手術症例をプレゼンテーションするのですが、原則として若手の先生の仕事です。 自分たちだけではできない部分もありますので、我々指導医がしっかりと教えるのですが、その若手の先生によってず…
先日,術後の患者さんの容態が急変し,一刻を争うような緊急事態となりました. 結果的には,緊急手術で救命することができたのですが,対応を一歩間違えれば,命を落としていたのではないかと思います. その詳細はこの場では触れませんが,最終的に手術を…
肝切除において,左手は決定的に重要な役割を持っています. 消化器外科手術の全般において,左手は重要な事に違いはありません.一般的に左手は鑷子で切離したい組織の近くを持ち,適切な展開・カウンタートラクションをかけて,的確で安全な切離の微調整を…
昨日の肝部分切除の続きです. 昨日は①切離マージンは腫瘍の深さで変える,②ペアン鉗子のさばき方を知る,③腫瘍や肝実質の牽引の注意点,について,要点を書きました. 次に術中の肝エコーについても,使い方があります. 昨日の場合は切離方向が浅くなって…
今日は後輩の肝部分切除に助手として入りました.彼はまだ消化器外科の中での専門分野を決めておらず,今はわれわれ肝胆膵グループを研修のように回っています.今回のような肝部分切除は,他の病院で数例したことがあるとのことでした. 今日の手術はS4の小…
肝亜区域切除とは,系統的肝切除のひとつであり,肝細胞癌に対して行う手術方法です. そもそも肝細胞癌に対する系統的切除とは,肝細胞癌が門脈血流にそって進展・転移する,という事実に基づくものです.そうであれば,その腫瘍に関係する門脈の範囲をでき…
毎日自分のことを振り返り,小さな改善を積み重ねていきたいと思っています.ブログを再開したのも,それが目的です. そのように意識するだけで,日々の具体的な体験,経験から,何が教訓として得られるのか,学びとなったのか,考える癖がついてきました.…
今日は家族で北海道旅行に来ました.千歳空港を出て近くのラーメン屋さんに早速入り,それがとても美味しかったです! 食べているうちに,いろいろと考えることがあったので,その内容を書きたいと思います. ラーメン屋さんを始め,飲食店がその店オリジナ…
先日,腹腔鏡下肝外側区域切除を, 初めて最後までさせてもらうことができました. 完投したのが初めてでしたので, 達成感もあり,それは嬉しかったわけですが, そこにはある副産物があることに,気が付きました. それは,「視点」が変わったこと. それ…
昨日の内容の続きになります. 具体的に何に取り組むか,考えてみました. 仮説は,「当直の疲れは,年齢そのもののせいではなく, 時間の使い方を変えたり,体力をつけたりすることで, 軽くすることができる」です. まずやるべきことは,「時間の使い方」…
30代半ばを過ぎましたが、当直で病院に泊まると なかなか疲れが取れなくなってきたように感じます。 忙しくない当直、言わば電話が鳴らず、夜に起こされなかったとしても、 疲れてしまいます。 ここでお決まりの会話がなされるわけですが、 「30歳を過ぎると…
およそ2年のブランクが空きましたが, ブログの記事を再開することにしました. 思い立ったきっかけは, 平成進化論で鮒谷周史さんが言っておられる, 「自分の教科書の編纂」と,「思考の言語化」のためです. 特に,思考の言語化によって,自分が考えてい…