消化器外科専門医のブログ

消化器外科を専門にする中堅医師です.消化器(食道,胃,大腸,肝臟,胆嚢・胆管系,膵臓)のがんや手術を要する急性疾患,緩和医療などの診療を行っています.特に肝臓外科が専門分野です.日々の学びや,自分の成長につながること,頭のなかで考えたことを中心に記しています.

150831 転移性肝癌の石灰化

先日,腎機能障害が高度なため,造影剤が使えない転移性肝癌の症例を経験しました.

普段から造影CT,EOB-MRIに完全に慣れているので,単純CTと単純MRI読影には不慣れです.しかし高齢化がどんどん進んでいる現状では,腎機能障害の方も増えていくでしょうし,肝臓外科の専門家としては,「造影しないと診断できない」と片づけるわけには行きません.

簡単に単純CT,MRIでの,大腸癌からの転移性肝癌の,画像の特徴をまとめました.

 

・肝実質に比べ低濃度

・石灰化は10〜20%

・消化管の腺癌からの肝転移で見られる.

・化学療法後に出現することもある.

 

MRI所見ではT1強調で低信号,T2強調でやや高信号と,一般的な像.