消化器外科専門医のブログ

消化器外科を専門にする中堅医師です.消化器(食道,胃,大腸,肝臟,胆嚢・胆管系,膵臓)のがんや手術を要する急性疾患,緩和医療などの診療を行っています.特に肝臓外科が専門分野です.日々の学びや,自分の成長につながること,頭のなかで考えたことを中心に記しています.

150913 統計学を教える場を作る 〜自分なりの渦の巻き方〜

医学の分野において,学会で発表するとき、あるいは論文を書くときには、統計学の知識が必要になります。

例えばある2つのグループがあり、その成績を比較したい場合にどうするかというと,ただ平均値を出して,例えばそれをグラフにして比較するだけでは不十分です。そこには分布の違いやばらつきがあるため、必ず検証する必要があるためです。そのときに統計学の知識を使うのです。

 
われわれは大学病院という環境にあるので、学会や論文を発表していくことも重要な仕事のひとつです.ですから,こういう統計学的な勉強も避けて通ることができません.
最近,われわれのグループに新たに加わられた若い先生がいます.これまでは症例報告などの発表,論文報告はされていますが,大規模のデータをまとめて発表することはされていないので,統計学の知識もほとんど,あるいは全くないものと思われます.
 
これまでわれわれは,各自が独学で統計学を学んできており,お互いに教え合ったりすることはほとんどありませんでした.
このブログでも統計学の各論や,われわれが知っておくべき内容については、今後書いていこうと思いますが,若手の先生たちがこれから統計学を学ぶにあたり,自分が出来る範囲の手助けをしたいと考えています.
 
鮒谷周史さんが『平成進化論』というメディアで言われている,『渦を巻いた生き方をする』,あるいは『7つの習慣』でフランクリン・コヴィー氏が書かれている,『主体的に生きる』ということを,最近意識しています.
このブログもそのうちの1つとも言えますが,具体的な実際の行動も起こしていくべく,このようなことを考えました.
これ自体は特別大きなことではなく,また特に才能が必要なことでもないですし,自分しかできないことではないかもしれません.
しかしこれまで周りの誰もが行ってこなかったことで,需要は確実にあることです.組織のためにはおそらく大きな貢献になると思います.
自分個人としては,統計学が得意とはいえないですし,統計を使った解析の経験も多くなく,また教えることそのもの,例えば講義が大好きというわけでもありません.しかしこういうことをやってみたいという気持ちがあるのは,他人に対する『貢献』がしたいのだと思っています.なのでこれは1つの試しであり,自分が何をしたいのかという『気付き』にもなってくれるのではないか,また渦を巻く経験を積むのにももってこいです.
まあ,相手の先生たちが望んでいなければ無理強いするものではないですが,統計学の復習・勉強を続けながら,指導の場作りを進めていこうと考えています.
それが形になるようであれば,ここでもあらためて報告いたします.