170106 腸球菌(Enterococcus)感染症 E. faecalis(フェカーリス)とE. faecium(フェシウム)
細菌感染に対して治療を要する場合に,菌種によって治療方法が異なることがあります.
腸球菌の臨床ではほとんどがE. faecalis(フェカーリス)とE. faecium(フェシウム)ですが,
E. faecalisはペニシリン系,セフェム系が効くのに対して,
E. faeciumは抗生剤に耐性であることが多く,注意が必要です.
耐性であればバンコマイシンを使用します.
以下にこれらの特徴をまとめましたので,ご参考にしてください.
- 物理的,化学的に「頑丈」であり,抗菌薬に対しても耐性があるのが特徴.
- 病原性は高くない.
- 腸管に存在し,正常細菌叢の一部を形成する.
- 臨床的に検出されるのはE. faecalis(フェカーリス)(80~90%)とE. faecium(フェシウム)(5~10%).
- E. faeciumはペニシリン耐性であることが多く,その際はバンコマイシンを使用する.
- また多剤耐性であるVREのほとんどがE. faecium.
E. faecium(フェシウム)が検出されたときは,感受性をよく確認することが重要です.
青木眞 レジデントのための感染症診療マニュアルより