消化器外科専門医のブログ

消化器外科を専門にする中堅医師です.消化器(食道,胃,大腸,肝臟,胆嚢・胆管系,膵臓)のがんや手術を要する急性疾患,緩和医療などの診療を行っています.特に肝臓外科が専門分野です.日々の学びや,自分の成長につながること,頭のなかで考えたことを中心に記しています.

130911 胆管細胞癌 CCC: cholangiocellular carcinoma(肝内胆管癌)

胆管細胞癌 

  • 原発性肝癌の3.6%(HCCについで2番めに多い)
  • HCVとの関連あり
  • 胆管の慢性炎症との関連もある(肝内結石,PBC,肝吸虫症など)
  • PBCの10%前後に発症する
  • 肉眼所見で3つに分類①腫瘤形成型②胆管浸潤型③胆管内発育型
  1. 腫瘤形成型:比較的境界明瞭で,線維成分が豊富な腫瘤.早期相でリング状に造影され,漸増する
  2. 胆管浸潤型:グリソン内を浸潤し樹枝状の形態をとる.境界不明瞭であり診断に難渋することがある.画像より実際は範囲が広いことが多い.肝内胆管拡張のみが異常所見のことがある.
  3. 胆管内発育型:胆管内に乳頭状に発育する

 

近々,肝S4に存在する4cm大のCCCの症例を担当します.

胆管浸潤型で,造影CTでは早期相,門脈相で低吸収域,後期相では周囲との境界がなく同定困難です.

左葉切除の予定ですがマージンを考慮して拡大左葉切除になるかもしれません.