消化器外科専門医のブログ

消化器外科を専門にする中堅医師です.消化器(食道,胃,大腸,肝臟,胆嚢・胆管系,膵臓)のがんや手術を要する急性疾患,緩和医療などの診療を行っています.特に肝臓外科が専門分野です.日々の学びや,自分の成長につながること,頭のなかで考えたことを中心に記しています.

術後の発熱 160524

先週に肝切除を行った患者さんがいるのですが、術後しばらく微熱が続いていました。
注意しながら経過を見ていたところ、術後8日目になって38℃の熱とともに悪寒が現れ、その後39℃まで上昇しました。

肝切除後の発熱の主な原因としては、
1  胆汁漏などによる切離部膿瘍
2  呼吸器系(胸水や無気肺など)
3  尿路感染症
などが候補として上がります。

特に1の膿瘍形成はドレナージが必要になることもあり、ひとまず急いで造影CTをとりました。

幸いながら、あきらかな膿の溜まりはなかったので、抗生剤投与で経過を見ます。

この時期に発熱って、限られてるんですけど、スッキリしないので落ち着きません。