171104 抗真菌薬の使い方 外科領域フローチャート
いま主治医でみている重症患者さんの,発熱が持続しています.
腹腔内膿瘍がありましたので,経皮的にドレナージしてもらいましたが,それでも持続するため,他の原因も併発していると考えられます.
ひとつはカテーテル感染です.
内頸静脈からのCVカテーテルに加えて,術後の急性腎不全に対してCHDFを行うためのカテーテルが入っていますので,十分に原因と考えられます.
それぞれ入れ替えを行い,バンコマイシンの投与を開始しました.
もうひとつの感染として,真菌血症があります.
下のフローチャートにもあるように,術後の重症患者さんはカンジダ血症のハイリスクになることが多いです.
この患者さんも人工呼吸管理中でICUに長期間在室しており,腎不全,透析,消化管穿孔,中心静脈カテーテル,高カロリー輸液,などかなり多くの項目が当てはまります.
腹腔内膿瘍の培養からは真菌は同定されていませんが,ドレナージ後も発熱や白血球,CRPの高値が遷延していることから,真菌に対する治療も開始しました.
透析をされているので,投与量の調節に関しても改めてこちらに記していきます.
深在性真菌症の診断と治療のフローチャートより引用
FLCZ:フルコナゾール(ジフルカン)
F-FLCZ:フォスフルコナゾール(プロジフ)
MCFZ:ミカファンギゾン(ファンガード)
VRCZ:ボリコナゾール(ブイフェンド)
L-AMB:アムホテリシンB リボソーム製剤(アムビゾーム)
ITCZ:イトラコナゾール(イトリゾール)