肝臓の画像診断 HCC、多血性腫瘤
HCC(古典的肝細胞癌)
動脈血流の供給が豊富であり、腫瘍内のモザイク状構造と造影後期相での腫瘍辺縁のリング状の造影効果が特徴的
- 動脈相で早期濃染(モザイク状構造)
- 中心部に造影効果の乏しい部分があれば、壊死が疑われる
- 門脈相,平衡相でWash outされる
- 平衡相では被膜が、腫瘍辺縁のリング状の造影効果としてみられる
- 脂肪化も肝細胞癌の特徴(CTで等〜低吸収域、MRIの脂肪抑制像)
- MRIのT2強調で淡い高信号
- Gd-EOB-DTPAは肝細胞に取り込まれるため、15分後の肝細胞相で取り込みの低下
- SPIOは網内系細胞に取り込まれるため、Kuppfer細胞のない肝細胞癌は相対的に高信号となる
- ※ 胆汁貯留を伴う肝細胞癌の中には、EOBの取り込みがみられる症例が報告されているので注意を要する
- 線維性組織が多い場合、遷延性濃染が見られる。混合型や硬化型肝細胞癌など。
多血性腫瘤の鑑別
多くの肝腫瘤は血流が豊富であり,CTやMRIで動脈相早期に濃染を示す
また多くのHCCは肝硬変に見られる
頻度が高いもの
稀なもの
- 肝腺腫
- 血管筋脂肪腫(AML)
- 肝内胆管細胞癌