消化器外科専門医のブログ

消化器外科を専門にする中堅医師です.消化器(食道,胃,大腸,肝臟,胆嚢・胆管系,膵臓)のがんや手術を要する急性疾患,緩和医療などの診療を行っています.特に肝臓外科が専門分野です.日々の学びや,自分の成長につながること,頭のなかで考えたことを中心に記しています.

160227 肝S2,S3の立体解剖

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今朝のラパロトレーニングです。ディスポの鉗子を使っていたのですが、今朝、割れてしまいました(汗)
力の入れすぎでしょうか?
 
 
今日は肝臓の解剖の復習です.
 
外側区域のS2とS3は,ときどきイメージがぱっと思い浮かばないことがあります.
その理由として,ひとつはUmbilical portionが背側から腹側へと立ち上がるという,グリソンの立体的な位置関係があります.
 
背側がS2,腹側がS3となります.

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またS2とS3の境界には,下図のとおり左肝静脈が走行しています.
左肝静脈の走行は,斜めになりますので,なんとなくクリアにイメージしにくいように感じます.

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Bayer Operation Techniques Library 肝の外科解剖と基本手術手技より 

 

正面(腹側)から見ると,左肝静脈にそって斜めに境界のラインが来ます.

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この図だけみているとわかりやすいのですが,

いざCTの水平断を見ながらイメージするとなると,いまだに迷うことがあります.

 

まだまだ画像を見る絶対量が不足しているのだと思います.

はっきりとイメージできるまでは,何度も繰り返して画像を見ること,

そのときに,いまではVINCENTできれいな3D画像がすぐに作れますので,それと何度も見比べることです.

 

CTの水平断と3Dとがイメージの中でぴったり重なるようになれば,

エコーでも思いのままに脈管を出せるようになるのではないか,と思っています.