消化器外科専門医のブログ

消化器外科を専門にする中堅医師です.消化器(食道,胃,大腸,肝臟,胆嚢・胆管系,膵臓)のがんや手術を要する急性疾患,緩和医療などの診療を行っています.特に肝臓外科が専門分野です.日々の学びや,自分の成長につながること,頭のなかで考えたことを中心に記しています.

171126  下腸間膜動脈(IMA)から左結腸動脈を剥離する方法

『魅せ技』という手術の動画サイトがあります.

そこには各分野のエキスパートの先生方が,代表的な手術の動画を解説付きで載せられています.

 

www.misewaza.jp

 

解剖学や手術の手順など,手術書や解剖学の教科書、アトラスなどで手術の勉強をすることも多いのですが,

動画で見ると学べることが一気に増えます.

 

その意味でもこういった動画による恩恵は大変大きなものがありますが、

 

さらにその優れた手術手技を脳に焼き付けておくと,いいシミュレーションになって、実際にその場面になった時にうまく手が動くのです.

 

今回は松本先生のS状結腸切除の動画を見て勉強させていただきました.

 

下腸間膜動脈(IMA)からの左結腸動脈(LCA)の分離がなかなかうまく行かず,

参考にする動画や手技のコツ,方法がわからず悩んでいたところでした.

松本先生の動画を見ると,そこをするっとうまく動脈を剥がしておられ,

周囲の脂肪織が全周性にツルッと剥けたときは,鮮やかでスムーズでした.

 

これができれば,その部分の手技としては間違いないと思いましたし,

それを見ていると,自分にもできそうに思えてきます.

 

これを繰り返し見て脳に焼き付け、頭の中で繰り返しシミュレーションしておけば、脳も自分はできると思ってくれるでしょう。

 

そのような反復がいかに大事で、間違いなく効果があるということは、 自身の学生時代の運動経験からも確信を持っています。

 

 

著作権の問題があるので,写真や動画を貼り付けることができなくて,残念ですが

自分でその手技ができて,きれいな画像が得られれば,こちらにアップさせてもらいます.

 

次にその手術をする機会を、楽しみにしながら、イメージトレーニングを続けます。