消化器外科専門医のブログ

消化器外科を専門にする中堅医師です.消化器(食道,胃,大腸,肝臟,胆嚢・胆管系,膵臓)のがんや手術を要する急性疾患,緩和医療などの診療を行っています.特に肝臓外科が専門分野です.日々の学びや,自分の成長につながること,頭のなかで考えたことを中心に記しています.

160225 現実の状況を変えるための行動は,日常業務の延長ではない.

 
今日はPD:膵頭十二指腸切除の手術でした.
日常臨床の大半が肝臓に携わっていますので,
膵臓に関しては恥ずかしながら,ほとんど経験できておりません.
 
しかし消化器外科医としての自分を考えますと,肝臓だけできるというのは,あるべき姿とは少し違います.
あくまでも消化器外科全般についての専門的な知識や技術,経験を持つ医師であり,
その上で肝臓に関しては高度な専門性をもつ,というところに至りたいと考えています.
 
先日,ドラッカーの本を読んでいて気付かされたことがあります.
『自ら現実の状況を変えるための行動をとらない限り,日常業務に追われ続ける』
 
すなわち
「普段のことをしていれば,いつか変わるだろう」
あるいは
「そのうち,変わるきっかけがやって来る」
と考えていても,その日は来ないということです.
 
さらにドラッカーは続けて言います.
『日常の仕事は,本当の問題点どころか何も教えてくれない.
 何が本質的に重要な意味を持つかは,個々の事象からは知る由もない』
 
これもなかなか強烈ですが,全くその通りと言わざるを得ません.
これはもちろん,日常の臨床を軽く考えるということではありません.
 
目の前の仕事をただ反応的に続けるのではなく,
疾患に対する考え方なり,手術に対する反省なり,
何らかの自分の軸を持って,あるいは広い視点や長い時間軸に立ってながめることで
初めて本質的な,深い部分が見えることが数多くあります.
 
まずは『現実の状況を変えるための行動』として,
時間を作って他グループの手術を見に行きます.
あくまでも自分の仕事をこなして,他の先生に迷惑をかけないことが前提です.