消化器外科専門医のブログ

消化器外科を専門にする中堅医師です.消化器(食道,胃,大腸,肝臟,胆嚢・胆管系,膵臓)のがんや手術を要する急性疾患,緩和医療などの診療を行っています.特に肝臓外科が専門分野です.日々の学びや,自分の成長につながること,頭のなかで考えたことを中心に記しています.

160312 臨床試験と治験の違い

臨床試験と治験

この2つの用語は同じような意味合いで理解していましたが,

正確には異なる試験を指します.

 

まず押さえておくべき大切なポイントは,

①治験は臨床試験の一部である

②治験は保険適用を目指して行う臨床試験である

ということです.

 

臨床試験とは人間を対象にした『すべて』の研究のことであり,採血した血液中のデータを分析したり,手術後のアンケートを解析したり,手術に関する後ろ向き,前向きの検討など,非常に幅がひろいものです.

 

治験とは新しい薬などが保険診療のもとで使えるようにするために行うものです.

従って,高い信頼性が求められることになります.

新薬の保険適応となると,治験は製薬会社が主導で行われることが多いことになります.一方で,医師主導治験,というものもあります.

 

まとめ

臨床試験とは人間を対象にした試験全般を指す,幅の広いものである.

治験は保険適応の承認を目的とした,臨床試験の一部である.