130902 転移性肝癌の画像診断
転移性肝癌(大腸癌など乏血性の腫瘍の場合)
多くの場合、最初は多血性であり、腫瘍の増大とともに血液の供給が追いつかなくなりリング状に造影されるようになる。
- 早期相でリング状濃染
- 門脈相,後期相で徐々に内部が染まってくる
- 門脈相が、腫瘍と肝実質のコントラストが最も高い(相対的に低吸収域に写る)
- 平衡相では肝実質と区別がつかなくなる
- EOBやSPIO-MRIで、腫瘍と肝実質とのコントラストは良好である
リング状の造影効果を示す肝腫瘤
- 転移性の腫瘍や膿瘍が代表的
- 肝細胞癌でも内部が壊死に陥るとリング状に増強される
- リング状に増強される部分は腫瘍の辺縁に当たる。同時に周囲の肝実質も圧迫を受け濃染されるため、境界ははっきりしない。
鑑別診断
遷延性濃染を示す肝腫瘤
- 大腸癌の転移などでは早期には辺縁部のみ濃染され、時間とともに中心部が濃染される
- 線維性組織が原因のことが多く、造影剤が長時間トラップされるためと考えられている
鑑別疾患